元国会銀秘書が語る、菅首相の「補佐官、柿崎明二氏」任命の裏側

 

「次の首相」はこうして決まる (講談社現代新書)

「次の首相」はこうして決まる (講談社現代新書)

  • 作者:柿崎 明二
  • 発売日: 2008/10/17
  • メディア: 新書
 

  さて、報道各社で、いろいろ、お話がなされている、首相補佐官人事ですが、元共同通信記者であった、柿崎氏が任命されました。永田町界隈の事情通からすれば、「あー、そういう使い方もあったかも!?」と言った感じかもしれません。

 柿崎氏は、20数年前から、自民党平成研究会(旧竹下派経世会)の番記者から、出足をスタートした経歴があります。その時の取材対象は、小選挙区で初当選した、96年組で、その当選組を重点的に、取材活動をしていたのを記憶しています。

 当然、出身地が共通の秋田県という、両氏ですので、親密な仲になっていたというのは、想像に難くありません。何故、柿崎氏が永田町で目立つ存在だったのか?といえば、基本的に、足を運んで、裏を取るタイプの記者で、他の通信社や、新聞社の記者と違って、何か起こったときに、足を運んでくる記者とは、違っていたというところではないでしょうか。

 ほとんどの記者は、所属している記者クラブから、ほとんど外にでることなく、大本営発表の情報のみを記事にしていると言っても過言ではなりません。彼の場合は、頻繁に、議員会館の事務所に、足しげく通い詰めて、現在の当選回数7・8回組との信頼関係を構築していった感じがあります。

 将来は、政治家になりたいとの野心があると言われていますが、その意向をくみ取って、首相補佐官に任用したと考えることもできます。

 もしかしたら、次の総選挙では、自民党が弱い秋田2区(現職は、金田勝年)に擁立するかもしれませんね。金田氏には、比例上位での当選を約束し、事実上の引退勧告が行われるかもしれませんね。相手の野党が、アナウンサー出身ということで、知名度があるため、比例復活当選を許しており、自民党=柿崎氏を勝たせて、野党の議席を奪うという、両面作戦で攻める可能性は十分に考えられます。

 選挙に弱いということは、次の選挙で、野党に議席をひっくり返されるかもしれないという恐ろしさに加え、身内から公認の邪魔をされかねない、という内なる恐ろしさも、持ち合わせています。

  いずれにせよ、自由民主党の公認は、「当選する為の、プラチナチケット」となりますので、菅首相から、首相補佐官に任用されたということは、柿崎氏にとっては良かったのではないでしょうか。自民党議員と野党議員とでは、その活動内容は、全く異なってきますので、自民党議員になれる足掛かりを作ってもらえたのは、良かったことではないかと思います。