次回の総選挙における、注目選挙区 その3 山口3区 自民内で内紛勃発!?

 

国会議員の仕事―職業としての政治 (中公新書)
 

 ここは、中選挙区時代は、山口1区と言われた選挙区になりますが、長州藩時代から、自民党よりの超保守層が強い地盤になります。

 現職の衆議院議員は、元官房長官文部科学大臣・党選対委員長の河村健夫議員になります。前回の対戦相手は、立憲民主の新人でしたが、ダブルスコア―以上の、圧倒的な得票差で、当選を果たしています。

 何故、この選挙区で自民党内ので、内紛が起こりえるのかと言えば、河村氏がもう、78歳となり、十分に高齢なことと、そして、現参議院議員林芳正氏が、衆議院への鞍替え立候補を検討しているという話があるからです。

 河村氏の思惑としては、次の総選挙には、自分の息子を跡継ぎにしたいということと、林氏は、4世議員になりますが、父親の林義郎氏は、自民党税制調査会長も務めた大物で、中選挙区時代から、この山口3区の主要都市である、宇部市を地盤とし、河村氏よりも、林家の方が得票能力が高いとされているからです。

 また、林芳正氏は、東京大学を卒業後、ハーバード大学も卒業しているなど、家柄の良さと、人並外れた、その自頭の良さなどから、昔から、議員仲間・永田町では、「衆議院議員なら、将来は、総理を目指せるのに。もったいない男」と言われてきた、参議院議員であるがゆえに、埋もれていた人財と言えます。

 ここで、何故、参議院議員が、首相になれないのか疑問に思う方が、いらっしゃるかと思いますが、決して、憲法で禁止されている訳ではありませんが、法理論上、解散の無い参議院議員の首相が、衆議院の解散権を持つことは、衆議院が、参議院に優越するという憲法理論に反することになるため、出来ないとされています。法理論を超えた、法律解釈の、一般常識の範疇と、とらえられています。

 第二次安倍内閣が誕生した時に、次の総理のダークホースの1人にも入ってさえいなかった、菅氏が、総理大臣にまでなってしまったのなら、と奮発して衆議院議員=代議士の座を狙ってくる可能性は十分にあります。20年ほど前は、船田元衆議院議員も、将来の首相候補と言われていたことがありますが、時代を一気に進めて、石破氏も、かつては、首相候補だったこともあると言わせるほど、インパクトが出てくるかもしれません。

 個人的には、保守VS保守で争っていただいて、勝った方が、自民党追加公認ということでよろしいのではないでしょうか?

 自民党総裁選挙のページでも少し、触れましたが、何故なら、選挙とは、勝ったものが正義だからです。