物事には、全てに「表があれば、裏がある」、「コインの裏と表」の関係が存在します。人間界にも、男がいれば、女もいます。動物も、植物も対になるものが存在します。例外があるとすれば、細胞分裂を行う知能を持たない原始的な生物である、アメーバくらいでしょう。
日本の赤字国債も同じで、日本が赤字と言うことは、どこかの国が黒字になっているということです。つまり、日本は、対外的には貿易赤字を垂れ流しており、それが積み重なって、赤字国債を発行し続けていると言うことが出来ます。
下記グラフは、経済評論家が良く使うグラフになりますが、一般会計歳出(赤線)と税収(黄色線)の開きを「ワニの口」と呼んでいます。この開きが年を経るごとに開いていき、国債発行残高が増え続け、やがて、日本は将来的に財政危機に陥ると論じています。
そもそも、税収が歳出に追い付いていない為に、新規国債発行高が増えているのですが、1992年頃の、バブル経済が崩壊以降は、財政政策の失敗というより、経済・産業政策の失敗により、日本企業が海外で稼ぐ力がなくなり、税収が増えていないということが出来ます。
上記のグラフが、日本の貿易赤字額(青棒)の推移なのですが、わが国の新規赤字国債発行額と相関があることが、容易にお分かりいただけると思います。貿易赤字が増えるに従って、新規発行赤字額が増えているのです。この貿易赤字額と新規発行赤字国債額が、ほぼトレードオフの関係にあるのです。
1985年のプラザ合意以降、世界的に円高に金融政策が誘導され、それまでの日本
の主要産業であった、輸出産業の儲けが減ってしまい、さらに、当時後進国であった、中国、韓国、台湾などに、製造業の拠点が移り、それらの国において、自国の輸出主体の製造業の勃興が、日本の貿易赤字を増大させて行ったと言えるのです。
このグラフは、主要各国のGDPの推移と2024年までの予測を表したものですが、アメリカと中国がとてつもない勢いで伸びています。これは、今、まさに起こっている米中経済摩擦を表していると言えるものです。このグラフからも、日本は、バブル景気後、ITバブル時に一時的に伸びを見せましたが、ほぼ横ばいとなっています。他の先進国はといえば、僅かづつではありますが、緩やかな伸びを示しています。
日本は、この間、人口の減少も起こっている為、一人当たりのGDPは減少しています。
上記のグラフでは、わが国1人あたりのGDPは、増えるどころか、減少に転じており、もはや、個人レベルでは、金持ちな国とは言えなくなっている状況になっています。ほぼ、韓国と同じ水準であると言えます。
産油国を見てみれば、お分かり頂けると思いますが、サウジアラビア、ブルネイ、ドバイなどは、国自体も非常に豊かで、国民へのサービスも、医療費が無料・学費が無料などとなっているのは有名は話だと思います。
結局、バブル崩壊以降のわが国では、目先の経済政策ばかりに追われて、将来的な産業の育成に失敗してしまい、21世紀に稼ぎ出す産業を失っている状況と言えるのではないでしょうか。