国会議員秘書時代に感じたこと 社会主義と共産主義の違いって知っていますか? 断言しよう!日本の統治システムは、社会主義体制だ!

 私が現役の国会議員秘書だった時代には、まだ社会党という政党が存在し、現在も一定の党勢を維持する日本共産党も当然、存在していた為、その両者の違いを肌間で感じることができる時代でした。同じ様な思想に見えて、与党の自民党に敵対する両政党ですが、比較的、対案を出す社会党自民党批判一辺倒の共産党といったイメージでした。

 社会主義共産主義という、一見異なるように見える政治思想ですが、この概念を誕生させたのは、20世紀初頭の学問上の大思想家とも言えるレーニン

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なのですが、ほぼ同じ概念として語っています。

 その後、様々な思想家により、いろいろなタイプの社会主義共産主義が発展させられ、誕生するに至るのですが、根本的な考え方は一緒と言えます。

 ご存じの通り、イギリスで起こった産業革命が欧米列強に波及し、資本家階級による労働者階級の搾取が大きな社会問題となり、貧富の差が大きくなったことのアンチテーゼとして、生産設備の国有化(農地も含む)、資産所有の平等、労働機会の均等など、格差の無い社会を理想とする考えが社会主義共産主義を誕生させるに至りました。

 レーニンが考えたところでは、まずは社会主義を導入し、その延長線上に共産主義が存在するようです。社会主義は、まだ、国家自体の存在は、許容するが、共産主義は、究極的には国家さえも必要としないとう考えです。さらに、その先には無政府主義と言われる考えも存在します。クロポトキンが主張し始めた無政府主義ですが、一部の研究者の間くらいでしか、あまり知られていませんが、わが国では、幸徳秋水

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が先鞭をつけていました。ちょっとこれは、原始農村社会の再構築に近い思想なので、現代では、お笑い社会主義的(北朝鮮?)な感じに思えてしまいます。

 ところで、日本は、「世界で最も成功した社会主義国家である」とかつてから、言われることも多いですが、これは、ある意味正鵠を得ていると言えます。

 ちなみに、現在の中国は、共産主義国家の様に語られることがありますが、中国は、資本主義経済を導入した、単なる共産党による独裁統治国家です。

 不完全とは言えますが、年金制度の存在、国民皆保険の健康保険制度、介護保険システム、老人ホームの整備、生活保護制度、破産者への借金の免責、相続税、高額給与所得者への最大65%の累進課税など上げれば、切りがないですが、先進国の中では、人一人の人生が失敗しずらい仕組みができ上っていると言えます。

 そして、個人で選ぶことが出来るものと言えば、進学する学校、職業、結婚する相手、住む場所、買うものくらいではないでしょうか。

 自己責任の範囲を大きく超えて、国家が個人を過度とも言えるくらいに、守ってくれるのです。こんなに、国民を守ってくれる国が存在するでしょうか?

 逆に、ビジネスで、世界的に大きく成功することも、難しい統治システムであるとも言えると思います。最近では、GAFA時価総額が、日本のすべての上場企業の時価総額を超えたとの経済事情にも見て取れると思います。

 話しは戻りますが、当時の社会党は、まだ、国会での話し合いによる民主的な手続きを経て、社会主義の実現を目指しているように見え、国民の一定の支持を得ていましたが、共産党は、非合法的な活動をも使って革命による社会変革を志向している様に見えます。実際、警察の公安部は、常に共産党の活動を見張っており、いつ・どこで演説を行うのかなどの情報はつかんでいます。

 政治は、誰のためにあるのか?

 それは、いつの時代も、「社会的に弱い立場にある人の為にある」というのが答えなのですが、自民党的な考えも同じ根っこにあり、社会主義共産主義の考えも元をたどれば、同じ、社会的に弱い立場にある人の為にある、といえるのではないでしょうか。社会的に強い立場にある人は、放任しておいても問題はないので、勝手にやってくださいとなります。

 ネットビジネスの普及により、ビジネスのスピードは、20世紀とは比較にならないくらい早くなり、5Gの普及で今後もその速さは、加速度的に早くなると容易に想像されます。とすれば、トマ・ピケティが「21世紀の資本」

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」で証明した、r>g(資本収益率は、経済成長率よりも大きい)の公式は、今後先、貧富の格差をさらに助長し将来的な社会不安をもたらすことになります。

 個人的には、現在のような、先行きが不透明な時代にこそ、社会主義的な思想を取り入れた政党が登場し、社会経済システムのバランスを取って頂きたいものです。

 日本に、2000万人以上いると言われている、非正規社員・フリーターの政治的な声は、国会には届きにくいため、社会的な仕組みとして救済されることが必要とされているのではないでしょうか。この彼らの声を代弁する政党はいったいどこにいるのか?それは、既存の与党政党でもなければ、野党の各種政党でもなく、新しく誕生してくる政党なのではないでしょうか。

 

 

 

 

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