何で、国会議員秘書を辞めたの? 何か止める理由があるの? パワハラってあるの?ブラックなの?

 

 はい、国会議員秘書の職場は、はっきり言って「超ブラック」と言い切れます。「パワハラ」・「暴力」、「セクハラ」、「モラハラ」など、一般企業では、大問題とされるハラスメント系の、もはや、刑法が定める「犯罪」とも言えるイベントは、どこの議員事務所でも日常茶飯事に起きていると言い切ってもいいと思います。そして、国会議員秘書の平均勤続年数は、2~3年程度とも言われています。上記の、噂話はどは、しょっちゅう、聞く話になりますね。直近で有名な話は、河井克行氏の暴力沙汰、豊田真由子氏の「この、ハーゲー!」との秘書への暴言など、ごく少数ですが、マスコミで報道されているところですね。

 さて、将来の保証が全くないと言ってもいい、国会議員秘書なのですが、ずっと、続ける人の方が少ないと思います。一方で、前向きな理由で、辞めていく人も、以外にも、多いです。例えば、地方議員に立候補するなどの理由は、とても多いですね。

 実際に、私が仕えていた議員の、元秘書の多くは、実際に、数多く地方議員に当選して、活躍しています。特に、人気があるのは、東京都の区議会議員ですね。待遇的には、都議会議員に匹敵するというのが理由と、選挙区が比較的小さくて、活動費用を安く抑えることが出来ることと、あと、最も大きい理由が、年齢が若ければ、朝の駅前での、辻演説一本で、当選することができるからです。

 知名度がない、お金がない若手にとっては、朝の駅前での、演説のみで、高確率で当選することができます。

 さて、私が何故、辞めたほかというと、地方議員になる志・希望もなく、年齢も、20台後半に入っていた時に、ある大手企業の幹部に「国家議員秘書をずっとやっていても、それは、ビジネスのキャリアにはならないよ」と、ふと言われたことがきっかけになりますね。

 

 そこで、半年程度時間をかけて、リクナビNEXTを使って、大手通信資本系のコンサル子会社に転職することができました。半年もかかったのは、書類選考で、ほとんど不合格になってしまったというのが、大きな理由です。はやり、国会議員秘書と言う仕事は、民間企業においては、その実力が未知数で、即戦力として使えるのかが、分からない為だと思われます。

 実際に、ビジネスキャリアとして、見なしてもらえなかったために、時間がかかってしまいました。当時の私のスキルは、会社のPL、BS,CSさえ読むことが出来ない状態でした。(今は、経営コンサルタントとして、人に教えているくらいなので、十分に理解していますが。。。)

 議員秘書をして、得られたもので大きかったと思われるのは、会社経営者との人脈や、実際の、世の中の動きなど知ることができたというものくらいでしょうか。

 将来、ベンチャービジネスを立ち上げたい、飲食店を経営したいなどの人には、全く向いていない仕事でもあります。純粋に、政治家になりたいという、志が無い人には、向いていない仕事ではあります。

 あまりに、仕事の幅が狭すぎて、会社の経営、ビジネスに興味があるという人にとっては、得るものがあまりにも、少なすぎるからです。失業はしたくないけど、政治に関わる仕事をやりたいというのであれば、希に募集している、自民党本部職員という選択肢があります。

 一生、議員秘書をやりたくて、秘書になっている人は、二世議員の親族の方などではないでしょうか?そういう人でも、何年も秘書をやっていると、選挙区の方から、地方議員にならないか?などお誘いを受けることも多いですね。

 結局、辞める人の絶対数は、非常に多く、議員事務所からの理不尽とも言える労働環境・待遇にも耐えられる人でなければ、基本的には、長く続けられる仕事ではないと、言えると思った方が良いですね。