激務 元国会議員秘書が解説する 国会議員秘書はどうやったらなれるの?③【政策担当秘書】

 将来、なんらかの議員に成りたいため、国会議員政策担当秘書試験を受けて、資格を保有し、その足掛かりのために、国会議員秘書になりたいという人も、少なからずいると思います。

 この資格が美味しいのかと言われると、なんとも言えません。給料は、850万円程度からスタート、退職金もあると言われると、普通の会社員よりも多いかもしれませんが、国会議員の秘書というのは、選挙の度に、失業の危険がある仕事で、安定している仕事とはいえません。特に、野党議員の秘書の場合は、注意が必要です。単に、選挙の風にのって当選した議員などの場合、次に当選する保証はありません。

 野党の場合、安定した強さを見せる自民党候補との闘いになるため、常に苦戦を強いられることを覚悟しなければなりません。また、仕事の安定度からしても、6年に1回の選挙で済む参議院議員の秘書は、抜群の安定度があります。すなわち、参議院衆議院比例区>選挙区、自民党>野党の順に安定度が異なってきます。

 秘書の安定度とは逆に、議員本人にとってみれば、議員内での力関係は、全く逆の図式が成り立ちます。衆議院参議院、選挙区>比例区自民党>野党の順で、発言力や、出世の仕方が違ってきます。

 さて、本題に戻って、政策担当秘書ですが、実際は、どんな仕事をしているのでしょうか。自民党でしたら、火曜から金曜日の朝8時から自民党本部で開かれている、各種部会というものに出席し、予算案や法案の議論を見聞きして、見聞を広めて、議員がいざ質問というときに、そのたたき台を作ったりするのが一般的なイメージではないかと思います。おおむね、そうなのですが、本会議や委員会ので質問は、年にしても、1回か2回程度あるかないかくらいなので、知識を収集して、ただ終わりということがほとんどではないでしょうか。良くて、議員の名前で発行される、政策広報紙のたたき台を書くくらいではないでしょうか。官僚出身・シンクタンク松下政経塾出身などの議員の場合、議員本人の方が、政策に精通している場合がほとんどですので、活躍の場というのは、ほとんどないと言ってもいいでしょう。

 あと、政策担当秘書資格の場合、公設秘書を10年経験していれば、面接だけで取得できてしまうとう、裏道があるので、こちらの裏道ルートでの採用が大半と言ってもいいでしょう。こちらでの採用ルートは、引退した議員・落選した議員から、派閥のあっせん、秘書同士のルートで採用されることが多いですね。

 有資格者で全くのド素人の場合は、有資格者の名簿から、電話で直接お声がけがあり、面接を経て採用に至るようです。