生きていくのが難しい時代となった

今週のお題「2020年の抱負」

 ここ5年くらいで、サラリーマンは、生きていくのが非常に難しくなった時代になってしまったと考える。従来は、会社の業績・景気の良しあしで、人員整理・リストラなどが行われてきたが、時代への変化に個人が基本的に持つ、能力以外のところで、人員整理、早期退職などが行われてきている時代になってきている。

 有名大学を卒業して、大企業に入って、ゼネラリストとして養成されてきたサラリーマンが多いが、45歳くらいから、人員整理の対象となり始めている。

 大学を卒業してから、丁度、ワンジェネレーションを過ぎたあたりの年齢であるが、これからの時代では、何らかの専門性・特殊な技術を持ち、会社に対して直接的な利益を上げていくビジネスマンが生き残る時代となってしまった、ということができるのではないだろうか。

 単なる総務部・人事部・その他間接部門のゼネラリストは、自らが所属する会社に対して、具体的にいくらの利益を生みだしているのか非常に分かりにくい存在である。彼らは、新しい価値観持ち・新しい教育を受けてきた若手社員と競い合い、その競争に勝ち残らなければ、会社に残ることが許されない存在になったということが出来るのではないだろうか。特に、キャリアウーマンを目指す女性を除いて、一般職に甘んずることを希望する女性にとっては、非常に厳しい時代になると思われる。

 女子大を出た学生は、金融機関などの一般職を志望する人が多いが、大抵の仕事は、派遣社員でもできるような仕事であり、特段、専門性が非常に高い仕事という訳ではないだろう。現時点でも、実際に、就職活動をすると非常に狭き門となっていると言われている。今現在で、門戸が狭いということは、将来は、もっと狭き門となることが容易に想定される訳で、近い将来は、ほとんどなくなると言ってもいい仕事であろう。また、正直に言って、経営者の視点からみれば、会社に体力がある時代であれば、まだ、雇い入れる余裕はあったが、現在は、そのような余裕はない。単なる、事務員、コピー取り・お茶くみ要員はいらないのだ。どうしても、そういう責任も権限も無い仕事をしたければ、ハローワークに、零細企業が、最低賃金レベルの月給で募集しているので、それに応募すればよい。

 実質的に、終身雇用は崩壊しており、そのような社会では、年功序列による、年齢別の給与体系は、全く意味をなさず、能力が低ければ、一生、初任給のままということも起こりうる。というか、そのような人は、リストラの対象になりうるであろう。何らかの専門家になろうとして、間接部門専門の資格をとったとしても、価格が安いアウトソース先があれば、意味がない。会社に対して、直接的に利益をもたらす、何らかのスキル・資格を取得するということが、会社で生き残るすべかもしれない。数字で測ることができる直接的なメリットを会社が要求してくるのだ。

 長年、会社に所属することで、給与があがっていくことは、ほぼないと言ってもいいので、自分のスキルを磨いて、会社の利益に貢献することでしか給料を上げていくことはできないと考える。これから先、会社が従業員の多額の社会保障費を負担していかなければならないが、これも、大きな理由になるであろう。

 ダブルワークで生きていくのもいいが、本業に近いスキルをもう一つ磨いて、両刀使いとして生きていくのが、賢い生き方かもしれない。かく言う、筆者もその中の一人なのである。