元国会議員秘書が解説する、何故、通年で国会を開催をしないのかについて

 最近、流行りの疫病、経済対策の為に、国会を開催しろという声が、様々な識者の間で出始めています。通常国会は、国会法で180日間の開催と定められています。そして、必要に応じて、1回だけ、会期を延長できるとされています。

 この会期が定められているには理由があります。主に2理由があるのですが、常に、国会が開催されていたら、役所が、本来の業務を遂行することに支障が出てしまうということが挙げられます。良く、役所の公務員は、長時間労働だと言われていますが、これは、国会での答弁の用意を行う為で、与党はすぐに、質問通告を行うのですが、野党は中々、質問通告を行わず、深夜に通告をしてくることが多いために、残業が増えてしまっている状況になっています。

 役所にとっては、国会が開かれている限り、人的リソースを、本来の行政を回すことに労力を使うことが出来ないからというのが、第一点になります。

 次にあげられるのが、衆議院議員が、選挙区に戻って、民意を吸い上げる時間が無くなってしまうからというのが挙げられます。衆議院議員は別名「代議士」と呼ばれますが、これは、国民の民意に一番近い議員であるということから呼ばれる言葉です(参議院議員は、代議士とは呼ばれません)

 通常国会が何回も延長されると、上記のことに、重大な支障をきたすために、延長は1回しかできないと決められています。ちなみに、臨時国会は、2回まで、延長することが出来ます。

 疫病、経済、中国問題など、急を要する問題が山積している現在は、臨時国会を開いても良さそうなものですが、何故、開かれないのでしょうか?

 それは、安倍首相の健康問題と直結しているからと言うのが、正しいでしょう。首相の仕事は激務であるゆえに、現在、健康問題が取りざたされていますが、健康問題があるなら、体調が回復するまで、臨時国会を開くことは出来ないでしょうね。過去の首相の中でも、任期途中で倒れた首相な何人もいます。最近では、故小渕首相もそうでしたね。その当時、私が使えていた議員は、小渕派に所属をしていましたが、派閥のパーティーにも顔を出すことはありませんでした、

 その時、小渕氏の秘書からは、病院で回復していますと言われていましたが、その1か月以内にお亡くなりになりました。首相の健康問題なので、病状が悪くても、状態は良いというしかないようですね。

 あと、国会を開くと、費用がかかるということもありますね。一日国会を開くと、人件費などの諸経費が40億円かかると言われています。役所も夏は、来年度予算の概算要求の準備をしていますので、予算編成にも影響がでるのは、間違いないと思います。