元国会議員秘書が解説する平成の不況 その① ライブドア事件、リーマンショック

 

 ライブドア問題とは、簡単に言うと、ITバブル真っ只中であった2006年に起こった事件で、IT株が株式市場で持てはやされていた当時、不透明な株式の売買とその株式の評価の不正から起こった事件です。

 

そもそも、ライブドアとはもともとどんな会社だったかご存じでしょうか?ホリエモンが作った会社ではありません、プロバイダー屋さんでした。ホリエモンが持っていた会社は、オン・ザ・エッジというHPを作成する会社で、そのオン・ザ・エッジが買収ライブドアを買収し、存続会社名をライブドアとしたのが、良く知られている、今のライブドアになります。

 

その当時は、国も「ITが成長産業だ!ITに投資しろ」と公共投資にもIT関連予算を沢山つけていました。今では信じられないかもしれませんが、ITダムを作れ!IT漁港を作れ!IT水田を作れなど、良くわからない物にも、何が何でもITをつけて予算化していたくらいでした。

 

また、IT企業のIPOも数多く行われ、ITバブルへと発展していきました。つい、最近も某アパレル通販会社の社長が言っていましたが、ITバブルであぶく銭を手に入れたライブドアは、球団を買いたいだの(当時の近鉄バッファローズ)、新球団を作りたいだのと騒いだりし、広く世間の目にも止まるところとなりました。

 

高度なM&A手法などで、肥大化したライドドアは、ラジオ局やテレビ局まで、画策しましたが、目立ちすぎたのがたたったのか、お国の目にとまってしまい、ホリエモンは法令違反で捕まってしまいました。IT企業の代名詞でもあったライブドアの社長が逮捕されたということから、投資家からも他のIT企業も同じような目でみられてしまい、ITバブルは終焉したのでした。

 

リーマンショックとは、アメリカのサブプライムローンの支払いリスク上昇から引き起こされ、リーマンブラザーブとう投資銀行が経営破綻したことから起こった金融事件です。サブプライムローンとは、米国の与信リスクが高い人への住宅ローンのことですが、ローンの未払い率の上昇から、その人たちへのローン債権を組み込んだ社債や、投資信託の信用不安から、リーマンショックは起きています。信用不安が起こると、当然、サブプライムローンを組み込んだ金融商品の値段は下落します。その下落した金融商品をせっせと買い込んで、沢山抱え込んでいたのが、リーマンブラザーズとなりまます。

ここで、ババを引くのがリーマンだけなら良いのですが、サブプライムローンが組み込まれた金融商品に投資している投資家たちは、この商品を担保にしてお金を借り、株式投資を行っていました。値下がりしたサブプライム商品の穴を埋めるために、投資家が一斉に株式の売却を行い、現金の確保に動いたため、株価急激に値下がりしました。これがリーマンショックといわれる大不況の引き金になりました。

アメリカ株は、一時期、1980年代のブラックマンデーのストップ安より更に安い、1000ドル以上、下がった局面もありましたが、世界各国の中央銀行が金融安定化のために、大規模な公的資金を投入したため、それ以上は傷口が広がらず、世界同時大恐慌を免れた形となりました。日本も、少なからず、証券会社や銀行がダメージを受け倒産をしましたが、最小限のダメージを受けたに留まりました。