北方領土問題って、何が問題なのか知っていますか?② プーチンにより問題は解決される!

 さて、読者の皆様の中で、世界最大の産油国はどこなのかご存じでしょうか?中東だろ、いや、ブルネイなどの東南アジアじゃないの?それは、近代、太平洋戦争時代のお話です。確かに、ABCD包囲網で、石油の輸入経路を絶たれて、南方資源地帯で石油が取れる東南アジアを占領したり、スエズ運河を使って石油を輸入しています。

 しかし、現在の世界最大の産油国は、なんと、あのアメリカ合衆国になっています。お聞きになったことがあるかもしれませんが、「シェール革命」により、サンドオイルから石油を抽出する技術がアメリカで発明され、一気に、世界最大の産油国になりました。

 これって、北方領土問題と何か関係があるの?と思われるかもしれませんが、間接的に、大きな影響を与えています。

 ロシアは、その広大な領土から豊富な資源が取れますが、天然ガスを、パイプラインを使って、ヨーロッパに輸出を行って、国家の経済を潤していました。

 ウクライナでの紛争をご存じの方も多いと思いますが、ウクライナの紛争は、このパイプラインの安全を確保する為に行われたものになります。ウクライナで、このパイプラインから不正に、天然ガスを抜き取っている組織がいたのです。この組織を叩くというのが、ウクライナでの紛争になっていきました。このウクライナ天然ガスが、抜き取られると、ロシアの輸出量が減ってしまうために、国内経済にダメージを与えてしまうため、なんとしても、防がなければなりませんでした。

 それが、国の経済に大きなダメージを与え、やがて、それが、プーチン大統領の支持率にも影響を与え始めたために、放っておけなくなったのです。

 そこに、シェール革命により、世界最大の産油国になったアメリカが、ヨーロッパに石油の輸出を始めるポーズを見せ始めたところ、主要顧客であるヨーロッパを取られてしまいかねない、ロシアにとっては、たまったものではありません。

 そこで、市場を奪われかねないロシアが次に目を向けたのが、ズバリ日本になります。北海道まで、パイプラインを敷設し、日本に天然ガスを売り込むことを考えたのです。現在、日本は、天然ガスをタンカーを使って、輸入を行っているのですが、一度、液化する必要があるので、手間とコストがかかります。直接パイプラインで輸入できれば、手間とコストが削減できます。

 ここでやっと、北方領土が登場します。ロシア側は、「まず、北方領土の2島を返還するので、ロシアの安い天然ガスを買いませんか?でも、日本のお金で、パイプラインを建設してね」という話になる訳です。

 プーチン大統領の任期は、2013年までですが、低迷する経済を立て直し、支持率を上昇させ、再選を狙うのであれば、日本に天然ガスを輸出し、経済の立て直しを最優先する可能性が大いにあります。実は、ロシアの大統領は、1期6年、2回までとされていますが、日本への天然ガス輸出に成功し、日ロ平和条約まで、締結すれば、超強力なロシア内の支持を獲て、憲法を改正し、3選を可能にする可能性があります。何故なら、過去は、大統領の任期は、1期4年、2回までとされていたものを、プーチンが、1期6年、2回までと変えているからです。

 日本人は、ずっとロシアの大統領は、ここずっと、プーチンが就任してきたと勘違いしていませんか?実は、プーチンが2期大統領を行ったあと、メドベージェフとう若い、プーチンの息がかかった大統領が就任しています。その間、プーチンが何を行っていたかと言うと、実は、首相に就任し、影響力を行使し続けていました。そして、メドベージェフ大統領の後任として、また、大統領のポジションに就任し、現在に至っています。

 原発問題解決の、とりあえずの切り札になりうる可能性のある、ロシアの天然ガスの輸入と、歴史上の大きな課題である、北方領土問題のとりあえずの解決を行うことができる日本政府は、このロシアとの間のパイプライン建設に乗る可能性が高いのではないでしょうか。このパイプライン建設は、景気が後退局面にあることが、はっきりした現在、21世紀のニューディール政策の名のもと、景気刺激策として、行われる可能性が高いのではないでしょうか。