北方領土問題って、何が問題なのか知っていますか?①

 たまに、ニュースで流れるくらいで、その根っこの部分=「どこに問題があるのか?」を知っている人は、実はごく少数なのではないでしょうか?

 北方領土とは、択捉、国後、色丹、歯舞諸島のロシアとの間に存在する、領土の帰属の問題です。

 「ソ連が一方的に、中立条約を破って、占領した領地じゃないの」、「終戦後に、ソ連が奪った領土でしょ」、おそらく、この程度の認識しか持っていないのが、現状ではないかと思います。

 ソ連の時代に、平和条約が締結されたら、色丹、歯舞諸島の2島が返還されるという約束にはなっていますが、いまだに、条約は締結されていません。冷戦時代に締結がなされないというのは、キューバ危機での、アメリカとソ連の関係をみれば、よくわかりますが、ソ連のすぐそばの、北方領土を返還すれば、米軍基地が作られる可能性がある為、おいそれとは、平和条約を締結して、2島を返還するということはできません。

 ここで、何故、2島が返還の対象になっているのかご存じでしょうか?日本は、8月15日に、天皇陛下玉音放送で、無条件降伏の意思表明を行いました。しかし、国際的に、法的拘束力を持つ終戦とは、9月2日に戦艦ミズーリ艦上で行われた、降伏文書調印式をもって、終戦とされています。これに調印していたソ連なのですが、玉音放送後に占領した、国後、択捉以外に、調印後にさらに、色丹、歯舞を占領してしまいました。

 調印する前、調印した後に占領した島によってその扱いが異なることになっているのです。要するに、「調印後に占領した、色丹、歯舞は、本来、日本の領土ですよね?」とうのが、日本の外交スタンスになっています。ここは、ソ連にとっても、分が悪い部分として、認めざるを得ない所がある為、平和条約の締結後には、2島を返還するという話にしている訳です。

 自民党の中では、4島一括返還論、2島返還論に二分されていましたが、新しい方式を模索していたのが、あの有名な「鈴木宗男」氏でした。この新しい案は、自民党の中で、次第に、支持を取り付けて行くに至ります。ここで、結成された鈴木氏を中心とした集団が「ムネムネ会」なる集団になります。

 このムネムネ会とは、平成研究会経世会)の1回生議員を中心とした、鈴木氏から資金を注入された集団のことです。

 彼は、2島先行返還+残り2島は、続けて返還交渉を行うとうものでした。これを実現しようと、民間交流施設、通称「ムネオハウス」なるものを、国後に作ったのですが、これが利権として、有罪判決を受けてしまうに至ります。