今後、コロナ禍後の、この国の経済対策は。。。

 さて、コロナ関係対策会議のメンバーの中に経済の専門家が入りました。東京財団の小林慶一郎氏です。通常、この手の会議のメンバーを選定する場合、関係する省庁が導きたい答えを予め決めています。そして、その、あらかじめ、決められたシナリオを描いてくれる、いわゆる「御用学者」を選任することになります。

 学者サイドとしては、政府に任命される会議のメンバーになれば、名をあげることが可能となり、後々、出版する書籍の売上にも大きく関わってくる為、喜んで引き受けます。また、将来に、叙勲を受けることも可能となります。

 ところで、今回選任された、小林氏の主張する経済対策とは、大きく言うと、緊縮財政となります。

 すなわち、財政出動を伴った、景気回復の為の、経済対策は行わないという路線が決定してしまったということを意味します。

 この小林氏は、自民党衆議院議員逢沢一郎議員とも近く、逢沢一郎議員に至っては、このコロナ禍の中「ゾンビ企業には、市場から撤退しろ」と主張しています。

f:id:kazukazu1114:20200515043131j:plain

ゾンビ企業は市場から撤退を

 ゾンビ企業の市場からの撤退は、特段、否定されるものではありませんが、この様な異常な経済状況において、通常時と同じ市場原理を適用するのはいかがな物でしょうか。

 かつてより、いえ、特に、バブル崩壊後から、日本人の一人当たりの生産性は、欧米諸国と比べて少ないと指摘されてきました。それは、日本には、中小企業の数が多すぎるとの主張と合わせて言われてきましたが、この経済活動が思うように出来ないこのご時世に主張するのは、お角違いではないでしょうか。

 市場から撤退するのは、市場原理に任せるべきであり、政府が音頭をとって、行った経済活動自粛に合わせて、市場からの撤退を主張するのは筋違いであると考えます。

 確かに、過去の政府の各種経済対策で、市場から撤退するべき中小企業が、無駄に生き残っているという指摘は、かなり昔からありました。実は、こういう企業は、地方に多く存在し、地方の貴重な雇用を創出している企業であったりします。パパママ企業で、近所の主婦をパートとして雇用している様な企業が当てはまったりします。

 ましてや、昨年末から、景気が後退局面となり、ゴールドマンサックスの試算では、4-6月のGDPは、前年対比-25%と予想されており、大不況の入り口にあります。野村証券の試算では、7-9月のGDPは、対前年比-9%と、大変大きなGDP減となっています。4月の帝国データバンクの、レポートでは、今年いっぱいは、景気が超低空飛行をするとも言われています。

 少なくとも、消費税増税後から、減少した約50兆円のGDP分の財政出動を行い、景気のテコ入れを行わなければ、失われた30年ならぬ、40年となってしまうのではないでしょうか。