秋元司議員が取り調べられている訳ですが・・・③

 秋元議員ですが、クリスマスに遂に逮捕されてしまいました。政界でクリスマスの日といえば、来年度の税制をどうするのかの、自民党税制調査会の審議の大詰めの日程になるわけですが、秋元議員の逮捕で、税制のニュースはすっ飛んでしまいました。

 この税制は、各族議員のバックボーンにある業界団体への活動のアピールの場になるわけですが、各業界は、税制が軽くなれば、その分、売上高が変わらなくても、税金が安くなれば、利益がまるまる出るので、相当鼻息が荒くなる部分です。

 税制の話はまた次の機会にさておき、肝心の秋元議員ですが、国会閉会中は、議員特権の不逮捕特権というものが機能せず、捕まってしまいました。小沢氏の元秘書出身の石川元衆議院議員以来の10年ぶりの現役国会議員の逮捕ということで、元厚生労働省の村木さん誤認逮捕の名誉挽回とばかりに、特捜部も力を入れているようですね。

 現役の国会議員の逮捕ということは、最高検から官邸に対しても、内々で打診を行い、GOサインをもらっていることは間違いないことですので、安倍内閣は、秋元議員をかばったりすることは、まずないでしょう。江東区の選挙区のことが問題になりそうですが、元々、元外務大臣の柿沢氏の地盤で、野党の息子の柿沢未途氏も争っている地域ですが、野党離れをしたがっている現職国会議員も最近は多くおり、自民党に引っ張り込めば、江東区の選挙区での自民党議席は保たれる訳で、選挙への影響は少ないのではないかと推測されます。そういう議席確保の計算も働いて、秋元氏は切り捨てられるのではないかと思われます。

 ここで、一番面倒なのは、野党が予算案を人質にして、国会審議を拒否する、秋元氏の内閣府副大臣への任命責任の追及、IR法案潰しにかかってきた場合、予算審議を十分に行うことができるのかという問題が出てきます。

 大抵、1月中旬が通常国会の召集日なわけですが、国民生活に直結する予算案を人質に取られた場合、年度内成立が、野党の戦術によっては難しくなる可能性があります。何とか、予算案を通過させることが出来ても、その裏つけとなる予算関連法案も通過させる必要があるので、これもけっこう厄介なことになる可能性もあります。

 内閣府参与の飯島勲氏が7月10日解散案を唱えていますが、果たして、そこまで、野党の追及から逃れられるのか?正直言って疑問が残ります。

 2020年は、各種経済指標の低迷、オリンピック後の景気後退、株価の暴落の予想、外交問題など問題が山積している訳ですが、これらの問題が噴出する前に、足元を固める意味合いで解散による足元固めが行われる可能性は少なからずあるのではないかと考えます。オリンピック直前の解散など、政治日程が忙しすぎてとてもできないのではないでしょうか。